
― 辛さもやさしさも、自然のままに ―
ししとうが出回る季節になると、
つい買い物かごに入れてしまいます。
理由はとても単純で、
あの、たまに当たる「辛いししとう」が好きだから。
いつもはやさしい味なのに、
たまにびっくりするような辛さが混じっている。
なんだかそれが、人間関係みたいで。
気まぐれで、でもどこか愛おしい。
辛さも「ご縁」と思える料理
一口かじって「あっ、これは当たりだ」と笑ってしまう。
そんな瞬間も含めて、ししとうは楽しみの多い食材です。
そのまま焼いても美味しいし、
天ぷらにしても、炒めても、味噌汁に入れてもいい。
でも今日は、特製の味噌だれをつくって、ししとうに絡めてみました。
甘辛味噌だれで、ごはんが進む
味噌だれのベースは、
味噌に、みりん、すりごま、ほんの少しの砂糖。
仕上げにごま油で香りを立たせて、炒めたししとうにたっぷり絡める。
この味噌だれが、ししとうの青っぽさととても相性がよくて、
たまに混ざる“辛い当たり”さえも、ひとつのアクセントになります。
ごはんにのせて食べると、箸が止まらなくなる。
冷めても美味しいから、お弁当のおかずにもぴったり。
素朴だけど、繰り返し作りたくなる
こういう料理は、派手さはないけれど、
「毎日のごはん」には欠かせない存在だと思います。
畑や市場で旬のししとうを見つけると、
「あ、また作ろう」と思える。
季節に寄り添いながら、
台所でちょっとだけ丁寧に火を入れて、
ごはんと一緒に食べる。
その時間の静けさが、私はとても好きです。

ししとうは、ご縁のような野菜
たまに辛くても、たまに驚かされても、
「そういう日もあるね」と笑える食材。
そしてそれは、日々の暮らしにも似ている気がします。
完璧じゃなくてもいい。
うまくいかないことも、美味しさに変わることがある。
ししとうの炒めものを食べながら、
今日もそんなことを、台所で思っていました。
