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春、ニラの香りと父のトラウマ

2022 9/15
目次

― 農業1年目、私たちの原点 ―

私たちが農家になったのは、2013年のこと。

親が農家だったわけでもなく、親戚にも農家はいない(祖母が中国で農家をしていたけれど)。
つまり、私たちは完全に“農家1代目”だった。


梨農家からのスタート

就農当初は梨農家としてスタートした。

けれど、梨は秋にしか収穫できない。
つまり、秋までの間は収入ゼロ。

一方で、資材費や農薬代は春から容赦なくかかる。

夫・高松の貯金はすでに農業に全力投資済み。

私はというと、わずかな貯金と失業保険で何とか生活をつなぎとめていた。

「これはまずい」と思っていた矢先、農協の職員さんから「ニラ、やってみない?」というお誘いをいただいた。

やったことなんてないけれど、とにかく生活のため、やってみることにした。


ニラにも“旬”がある

育ててみて初めて知った。
ニラにも旬がある。

春、越冬した根から出てくるニラは、とにかく柔らかく、香りが強い。

旬は、4月下旬から5月中旬ごろ。
この時期のニラは、まさに“ごちそう”になるのだ。


ニラとの戦いの日々

でも、それだけじゃなかった。

ニラの収穫は、朝4時から。
そこから始まる、果てしない選別と調整作業。

育て始めたばかりの1年目、私たちが育てたニラはとても細くて短く、出荷できるような調整にとにかく時間がかかった。

夜9時まで作業が終わらない日々が続いた。


「報酬は、ニラ食べ放題」

そんなとき、両親が中国から来日。
私たちの結婚式のため、数ヶ月前から一緒に暮らすことになった。

私たちの慌ただしい様子を見て、
両親もニラの選別作業を手伝ってくれることに。

報酬は……「ニラ食べ放題」という、もはや冗談のような条件。

父はニラが好きだったので、最初は喜んで食べていたけれど、途中からは香りすら受けつけなくなり、ついには箸もつけなくなった。

後に知ったのだけれど、あのときニラを食べすぎたせいで、いまだにニラが食べられないのだという。

父に、強烈なニラトラウマを植え付けてしまった。

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それでも、春のニラはごちそうだ

そんな苦い思い出があるにもかかわらず、春になると我が家の食卓にはニラチヂミが欠かせない。

新潟ならではの米粉をたっぷり使ったニラチヂミは、外はカリッと、中はサクッと。

そして中には旬のニラをふんだんに詰め込む。

年中売っているニラでも、春のニラは別格だ。
旬を知っていると、それだけで得をした気分になる。


父への「報酬」を、これから

ニラチヂミを焼くと、ふと、父のあの言葉がよみがえる。

「もう一生分、ニラを食べた。」

申し訳なさと、ありがたさと、いろんな思いが入り混じる。

あの頃、ちゃんと親孝行できなかった分、これからは惜しみなく返していきたい。

「報酬はニラ食べ放題」なんて、いま思えば笑い話だけれど、あのときの手伝いが、どれほど支えになったかは言葉では言い表せない。

だからこそ、今こそ、あの“報酬”を数倍にして返していく。

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ひかり
waktak cooking class 講師
中国・延吉で育ち、季節の野菜と韓国の家庭料理に囲まれて育ちました。
「誰かを思って作るごはん」を大切に、日々のレッスンや発信を続けています。
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