季節と食卓– category –
季節がめぐるたびに変わる、わたしたちの食卓。その移ろいの中で見つけた風景や、食材にまつわる小さな物語を綴ります。
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ニラと共に歩んだ私の暮らし|食卓と人生を支えてくれた野菜
御先祖様に感謝のお参りを終え、我が家業は本格的に冬の支度をはじめました。 キムチ用の白菜、大根、からし菜。息子が大好きなブロッコリー、そして私がひそかに愛してやまないパクチー。畑にはまた、新たな場所へと移植されたニラが根を張ろうとしていま... -
ツルムラサキが踊りだす台所──夏の匂いと、湯気の中の幸福
外はじりじりと焼けつくような暑さだった。朝から気温はぐんぐん上がり、外に出るだけで肌がぴりぴりと反応する。 けれど、その暑さとは違う、台所の「熱さ」が私は好きだ。窓から入ってくる夏の光を少しだけ取り入れて、程よくクーラーが効いた部屋の中。... -
梅干しと記憶と、手仕事の朝に
今日も、起きて窓を開けた。しめじめとした梅雨時期の朝の空気が部屋に入り込む。「梅を干すのは、もう少し先かな」そう思いながら、梅酢を一滴垂らした水を一杯。 ほんのりとした酸味と塩気が、汗をかいた身体にすっと染みわたり、「休む」から「目覚める... -
エッセイ版|タンスユクと、夏の香り
夏の始まりにぴったりの韓国風酢豚「タンスユク」。台湾パインやピーマンを使った、甘酸っぱくてちょっと懐かしい一皿。味と記憶をめぐる、小さな台所の物語です。 「梅雨も明けたかな?」 そう思うくらい、今年は雨の少ない6月でした。気づけば空気は夏の... -
夏のししとう・甘唐辛子レシピ|蒸して和える!簡単サムジャン和えの作り方
ししとうのサムジャン和え 夏になるとぐっと美味しくなる「ししとう」や「万願寺とうがらし」。この記事では、韓国調味料“サムジャン”を使って作る簡単な副菜レシピ、「ししとうと甘唐辛子のサムジャン和え」の魅力と作り方を詳しくご紹介します。 夏野菜... -
冷たくて温かい、妻の冷麺
「冷麺って、なんか味がない」そう思ったことはありませんか? 正直、僕もずっとそう感じていました。 最初に韓国で食べた冷麺は、まるで薄まったポカリのように、ほんのり香るだけのスープ。 どこか物足りなくて、この料理に対してあまり良い印象を持って... -
お弁当をひらく日のこと
料理教室のある日は、妻がお弁当を作ってくれます。 保温ポットに入った、三段のドカベン。 なんだかお弁当が嬉しくて、実は少し早めに昼休みに入るのが習慣になっています。 今日のお弁当は、 ごぼうのピリ辛焼き、ゆで卵、ゆでたブロッコリー。白ごはん... -
新じゃがいもの季節に、笑顔がこぼれる食卓
皮がうすく、みずみずしい。この季節だけの新じゃが。 小さな丸いじゃがいもが運んでくる、季節のたより そろそろ、新じゃがの季節です。 皮がやわらかくて、ほんのりと土の香りがして。 台所に立つと春から初夏への移ろいを感じさせてくれます。 いつもな... -
平壌冷麺の静けさに、わたしを重ねる午後
涼やかな午後に寄り添うひと皿の静けさ 冷たい麺に澄んだスープをそっと注いだとき。その静けさに、胸の奥がすっと整っていくような気がすることがあります。 平壌冷麺は、にぎやかさとは無縁の料理です。 スープも、具材も、語りすぎない。けれど、そっと... -
【夏に食べたい】オイキムチとは?韓国家庭のきゅうりキムチの作り方と味わい
オイキムチとは?韓国の夏に欠かせない漬け物 オイキムチとは、韓国の夏を代表するきゅうりのキムチ。 塩もみしたきゅうりに、香味野菜と辛味調味料(ヤンニョム)を詰めて漬け込む、火を使わずに作れる発酵惣菜です。 シャキシャキ感とほんのりした甘さ、...
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