「オモニ、私たちって家族で中国にいる時にチャンポン食べたことありますか?」
そう聞いたとき、母は即答でした。
「ないよ。外食なんかしなかったからね」
その一言で、私の記憶がふっとソウルの夜に飛びました。

私が初めて“ちゃんぽん”を食べたのは、ソウルでした。
イカ、アサリ、エビなど海鮮たっぷりの具材に、真っ赤なスープ。
その中に、長くてもちっとした麺がたっぷり入っている一皿。
見るからに辛そうで、そしておいしそうで。
こんなに具が多いラーメン、見たことない。そう思ったのを覚えています。
そんな“記憶に残る一皿”を、いま家庭で再現できたら──
その想いから、8月レッスン『団欒』では、韓国式ちゃんぽんをテーマにお伝えしています。
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一緒に頼んだのが「タンスユク」。
厚めの衣でサクサクに揚げた豚ロースに、色とりどりのピーマンと玉ねぎが添えられ、甘酸っぱいタレがたっぷり別皿で届く。
しかもそれが“出前”で、あのクオリティで届くというのが、当時の私には衝撃でした。
時間のロスなんて感じさせないサクサク感。料理が、ちゃんと生きていたのです。
今では、タンスユクも家庭で作れるようになりました。
意外とシンプル。でも、きちんとおいしい。そんなレシピを、対面・オンライン両方のレッスンで紹介しています。
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飲食の仕事をしていて帰りが遅い姉が、仕事帰りにチャミスルとビールを買ってくる。
せっかく私が来てるのだからと、スマホから出前を頼むのは、チャージャン麺とチャンポン、そしてタンスユク。
出前が届くと、甥も姪もやってきて、テーブルを囲んでみんなで酒盛りが始まります。
だんだん盛り上がってくると、姉が用意していた常備菜や数種類のキムチが並び始め、「夜食」とは言い難いくらいの料理がテーブルに並びます。
普段ならこんな時間に食べたら…なんて躊躇するのですが、中華が並んだらその考えはどこかに行ってしまいます。
あの時間は、いま思えばとても貴重で、家族が揃って「美味しいね」と言えるその瞬間は、最高の団欒でした。
日本に来て、初めて“ちゃんぽん”を見たとき。
白く澄んだスープに、蒲鉾や野菜が入っていて、まるで別の料理のように思えました。
同じ名前で、こんなに違う。
でも、どちらもちゃんと「ちゃんぽん」なんだと、不思議な気持ちになりました。
文化の違いを知ることは、料理をもっと深く楽しむこと。
その面白さも、レッスンでは丁寧にお伝えしています。
両親が日本に来たときに、日本のチャンポンや酢豚を一緒に食べてみればよかったな……
そんな風に、あとになって少し後悔しています。
「これはね、日本のチャンポンなの」
「これが日本式のタンスユクだよ」
そうやって、驚いた顔を見ながら、美味しいねって笑いたかった。

だからこそ、私は今、後悔しないように伝えていきたいと思っています。
“韓国のちゃんぽん”と“タンスユク”を、家庭でも作れるように。
それが、家族で囲む“団欒”のきっかけになるように。
私が台所から伝えられるのは、そういう料理なのだと、今は強く思います。
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