風邪をひいて気づいた、小さな異変と大きな感謝

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風邪の日に、ようやく立ち止まる

両親の来日。
大きな寒暖差。
母と毎日続いた試作作り。
慣れない東京ひとり出張。

最初はいつもの寒暖差アレルギーかな?
なんて思っていたのに…。

久しぶりの風邪でした。

熱もなく咳も出ず、くしゃみと鼻水と倦怠感。

「あ、これは休んだ方がいいな」

ようやくそう思ったのは、ずいぶん後になってからでした。


コーヒーをゆっくり飲む朝。
やっと自分に立ち止まる時間ができました。

いつの間にか「休むこと」が、「甘えること」「怠けること」みたいに思えてしまっていたのかもしれません。

子どもがいて、
仕事もあって、

締切もあって、
レッスンも控えていて。

動けばなんとか回るけれど、「動ける」は「大丈夫」とは違うのだと、今回はっきり身体に教えられました。


体はずっと前から知らせていた。

喉が渇いていたり、
少しのことでイライラしてしまったり、
火加減がうまくいかなくなったり。

小さな不調は、ちゃんとありました。

でも、気づかないふりをしていました。
というより、気づいても“立ち止まること”がこわかったのだと思います。

今回の風邪は、そんな私に強制的なブレーキをかけてくれました。

「もう無理だよ、ちゃんと休んで」

身体は、ずっとそう言っていたのだと、今はわかります。


両親を空港に送り、その後にレッスン。
全部終わったら、いつも座らない場所に座っていました。

両親の姿が重なる。

久しぶりに昼寝をした日。

ベッドに寝転んで天井を見ていたら、やっぱり浮かんでくるのは両親のこと。

ほんの数日前まで、1ヶ月ほど家に泊まっていた父と母。

スマホの画面越しでは元気そうに見えていたのに、実際に目の前で見た父は、驚くほど弱っていました。

杖をつき、車椅子に乗って。
かつて私を背負って歩いていたあの背中が、
すっかり小さくなっていたのです。

あの父の姿は、帰ったばかりの時も思い出して涙が出そうになったくらい。

それでも、たくさんの荷物を抱えて、
私のために料理の材料をたくさん運んできてくれました。


飛行機の荷物の重量ギリギリの食材達。
そのほとんどが、私のための食材でした。

つるにんじん、
干し湯葉、
きくらげ、
エゴマオイル。

どれも、私の「料理をする」という言葉を受けて、忘れずに揃えてきてくれたものでした。

その体で。
その想いで。

また思い出してしまい、胸がいっぱいになりました。

夫の言葉に、救われました。

「一日休んだからって5年後の人生が変わるわけじゃないよ」

夫が言った何気ない一言が、私の張りつめていたものを、そっとほどいてくれました。

たしかにそうです。
今日ひとつ何かを休んだからといって、未来のなにかが台無しになるわけではありません。

でも、

「今日を守らなければ、未来も守れない」

そのことに、ようやく気づきました。


自分の“サイン”に気づいていたい。

私たちは「がんばること」に慣れすぎていて、
「休むこと」の練習が足りていないのかもしれません。

これからは、もう少しだけやさしく、自分の身体に耳をすませていきたいと思います。

ちゃんと食べて、
ちゃんと眠って、
ちゃんと休む。

結局、お医者さんは自分自身。
自分を労って、休ませて、体の声を聞くこと。
これが一番なのだと思います。

それが、私が料理を続けるためにも必要なことなのだと、今回の風邪が教えてくれました。


息子と寝るのが最大の回復アイテム。

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この記事を書いた人

ひかりのアバター ひかり waktak cooking class講師

ひかり
韓国家庭料理教室「waktak cooking class」主宰。
中国東北部・朝鮮族の家庭で育ち、祖母や母から“家庭の味”の奥深さを学びました。

いまは新潟で、小さな台所から料理の記憶を伝えています。
香りや湯気とともに、記憶に残る家庭を、もう一度つくるように。

レッスンのことや日々の気づきは、InstagramやLINEでもお届けしています。

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