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家族3人で過ごした、たった半日の記録|今しかない時間をちゃんと味わうために
週末、久しぶりに家族3人で過ごす時間ができました。日々の仕事や予定に追われて、意識しないと一緒に出かける時間さえつくれない。そんな我が家にとって、今日は特別な1日になりました。 母は土日にレッスンがあったり、父は手術による仕事の遅れを取り戻... -
エッセイ版|タンスユクと、夏の香り
夏の始まりにぴったりの韓国風酢豚「タンスユク」。台湾パインやピーマンを使った、甘酸っぱくてちょっと懐かしい一皿。味と記憶をめぐる、小さな台所の物語です。 「梅雨も明けたかな?」 そう思うくらい、今年は雨の少ない6月でした。気づけば空気は夏の... -
参鶏湯にはカクテキを。家庭で整う、韓国料理と季節の記憶
キムチといえば白菜。 そんなイメージが強いかもしれませんが、私にとっての原点はカクテキです。参鶏湯とカクテキ、その汁まで使い切る台所の風景—— 今日はそんな、わが家の「季節ごはん」を通じて見えてくる記憶と、家庭料理の力について、少しだけお話... -
チャージャン麺の夜、誰かと食べるごはんが、少しだけ特別に見えた日
最近息子は、週に一度、近所の中学生に勉強を教えてもらっている。その日の夕方も、少し大人っぽくなった声が玄関から聞こえた。 何事にも物怖じしない息子は、誰も遊び相手がいなくて近所をプラプラ歩いていたところに、昨年小学校を卒業した近所の女の子... -
苦味の奥に、まだ知らない味がある。
香りに導かれ、山から海へ 台所で新しい食材と向き合う時間は、少しだけ緊張します。 それは、まだ知らない味との出会いであり、自分自身への問いかけでもあります。 今日は、韓国の海藻「カムテ」との出会いから生まれた、ひとつの試作の記録を綴ります。... -
子どもが親から離れるとき|寂しさと喜びの間で揺れる父親のエッセイ
「明日は家族で大凧合戦観にいこう!」 午前中に息子とそう約束したはずだった。 でも夕方になり、「明日、◯◯くんと遊ぶ約束してきた!」と、まっすぐに僕を見る息子がいる。 約束はあっけなく破られる。 自由な息子は、その時一番楽しいことを最優先する... -
冷たくて温かい、妻の冷麺
「冷麺って、なんか味がない」そう思ったことはありませんか? 正直、僕もずっとそう感じていました。 最初に韓国で食べた冷麺は、まるで薄まったポカリのように、ほんのり香るだけのスープ。 どこか物足りなくて、この料理に対してあまり良い印象を持って... -
お弁当をひらく日のこと
料理教室のある日は、妻がお弁当を作ってくれます。 保温ポットに入った、三段のドカベン。 なんだかお弁当が嬉しくて、実は少し早めに昼休みに入るのが習慣になっています。 今日のお弁当は、 ごぼうのピリ辛焼き、ゆで卵、ゆでたブロッコリー。白ごはん... -
記憶をたどらなくても、味は帰ってくる
忘れてしまった記憶を、料理がそっと呼び起こすことがある。 この日、妻は延吉の味を思いがけず思い出した。 玄関で息子を見送った朝。 いつものように仕事の話になったのだけど、その日は、妻の声に少し熱がこもっていた。 「日本に来てもう20年以上も経... -
怒ってしまった翌朝に、起きたこと
怒ってしまったあとは、こどもよりも、自分のほうが落ち込んでいることがある。 今回は特に、僕はひどく落ち込んだのだった。 あのとき、あんなふうに言わなくてよかったのに。もう少しだけ、信じて待ってあげればよかったのに。 何度そう思っても、また怒...
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