麻辣オイルの可能性は無限です。
わたしが試作を重ねるときには、いつも
- 幼い頃に暮らした中国・延辺での食卓
- 韓国料理の伝統的な食べ方
- そして日本で感じた“食の違和感と驚き”
そんな体験を手繰り寄せながら、記憶と味覚を行き来してレシピを考えています。
夏に食べたい、トマトキムチのヤンニョム和え

今回の一皿は、夏のトマトを主役にしたキムチ風副菜。
作り方はとてもシンプルで、熟したトマトをくし切りにして、自家製のヤンニョムで和えるだけ。
さらに、薄切りにした牛バラ肉を焼いて添えると、香ばしさと旨みが加わって、これだけで立派なおかずに。
キムチと焼肉。この組み合わせにトマトが入ると、
味にみずみずしさとやさしさが加わります。
故郷で食べた、あの“路地トマト”の記憶

わたしが育った延辺では、トマトはすべて路地栽培でした。
ハウス栽培もなければ、農業技術もまだ整っていなかった時代。
それでも、果肉がしっかりしていて、
香りがほんのり立ち上がる、美味しいトマトが採れていました。
夏になると、そんなトマトに砂糖をかけて食べたり、
卵と一緒に炒めたり、ヤンニョムで和えて冷たくして食べたり。
トマトには「火照った体を冷やす」働きがあるとも言われ、
夏の食卓では欠かせない食材でした。
日本で感じた“素材のクリアさ”と、ヤンニョムの融合
日本の食材、とくに果物は、味が濃いのに透明感がある。
それは、中国や韓国で感じていた「食べものの野生味」とはまた違う魅力でした。
わたしがヤンニョムを作るようになったとき、自然とトマトとの相性を探るようになりました。

そして生まれたのが、この“トマトキムチ”。
作り方は本当にシンプル。
切って、和えるだけ。
でも、このやさしい辛さと甘み、トマトの酸味が合わさると、ひと皿の中に「夏の記憶」が広がります。
▶︎そのほかのヤンニョムを使ったレシピはこちらから

味変に麻辣オイル。中華の香りが立ちのぼる

ここに、麻辣オイルをひとさじ垂らすと——
一気に味が変わります。
オイルの中には、シナモンや八角、花椒、陳皮など、数種類のスパイスがしっかりと閉じ込められていて、ひと口で中華の世界が立ちのぼるような香りに包まれます。
しかもこのオイル、見た目よりも辛くない。
旨味と香りがじんわりと広がるので、「辛いのが苦手」と思っている方にも、まずは試してほしい味です。
トマトキムチ × 焼肉 × 麻辣オイル
韓国と中国、そして夏の日本。
それぞれの風土と記憶が、一皿に重なります。
暑い日に、ビールとともに

この組み合わせを試した日、食卓に座ってすぐに思わず口から出たのは、
「ビール欲しい!」
でした。
トマトの冷たさとヤンニョムの酸味、
焼いた牛肉の香ばしさ、
そして麻辣の余韻ある香り。
それらがひと皿の中で踊って、まるで小さな宴のような味わいになります。
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