waktakの日々– category –
新潟発・韓国家庭料理教室「waktak」の日常を綴るブログ。
季節の食卓、母から受け継いだ味、レッスンの裏側、小さな気づきや想いを、物語のようにお届けします。
料理を通じて、誰かを思うやさしさが広がりますように。
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ししとうは、ご縁の味
― 辛さもやさしさも、自然のままに ― ししとうが出回る季節になると、つい買い物かごに入れてしまいます。 理由はとても単純で、あの、たまに当たる「辛いししとう」が好きだから。 いつもはやさしい味なのに、たまにびっくりするような辛さが混じっている... -
水キムチで冷麺を
― 発酵の涼しさで、残暑を楽しむ ― 夏が終わる気配がしてきても、日中はまだ、じっとりと汗ばむ日が続きます。 そんな日の昼ごはんはできるだけ火を使いたくない。 でも、ちゃんと美味しいものが食べたい。 そう思って冷蔵庫から出したのは水キムチ。 冷麺... -
地上と地下、ひとつの蓮の不思議
― 光と闇をともに抱える植物 ― 地上と地下。それは、まるで別の世界。 太陽が燦々と降り注ぎ、風が吹き抜ける場所にいるのは、広く大きな蓮の葉と、凛と咲く蓮の花。 一方で、地中深く、空気も光も届かない、真っ黒な泥の中に潜んでいるのは、蓮根(れんこ... -
ドンチミとは?冬に仕込む韓国の水キムチと、母のやさしい即席レシピ
ドンチミとは?|韓国の水キムチ、そのやさしい発酵のかたち 韓国の冬に欠かせない発酵料理、それが「ドンチミ(동치미)」です。 乳酸菌の力でじっくりと発酵した大根の水キムチは、すっきりとした酸味とみずみずしさが特徴で、まるで“飲む美容液”のよう... -
私はシルトクが好きです
幼少期からアラフォーになってもなお 私はシルトクが好きです。 ずっと前から。 幼少期から、食べるたびに「おいしいな」と思っていましたが、アラフォーになった今あらためて「やっぱりこれが好きだな」と思います。 そもそも、シルトクって? このブログ... -
パッジュクとシルトク
― 小豆の赤と、食卓の記憶 ― 小さい頃、韓国の学校給食によく登場していた「パッジュク(팥죽)」。 小豆たっぷりのお粥で、白ごはんと混ざって広がるそのピンクの海のような色合いが、今でもはっきりと記憶に残っています。 小豆のピンクは、不思議な食卓... -
韓国のタンスユクとは?|家庭で作れる甘酸っぱい韓国式酢豚とアレンジレシピ
韓国の「タンスユク(탕수육)」とは? タンスユクとは、韓国版の酢豚のような料理。衣をつけて揚げた豚肉や鶏肉に、とろりとした甘酢あんをかけて仕上げます。 日本の酢豚と似ていますが、韓国では 「衣のサクサク感」「あんのとろみ」「揚げたて感」 に... -
お母さんのキンパが、いちばん美味しい
― 味の記憶と、安心というスパイス ― 韓国に行くと、私たちはいつもソウル市内に住む姉の家に泊まらせてもらっています。 そこには姉と、彼女の娘と息子、そして単身赴任中の義兄が、週末になると帰ってきます。 賑やかで、あたたかい家族の空気に、私たち... -
秋の雨と、ちぎる手と、スジェビと。
台風が通り過ぎた日、母の言葉を思い出す 日本列島を台風が暴走し始めた。 9月のそれは、年明けにヤンチャな若者たちが朝日に向かってバイクで走るように、毎年の恒例行事のようにやってくる。 そのたびに果物を育てている夫は、胃が痛くなるらしい。 無理... -
夏にしか食べない、私のコングクス
洗脳と文化と、リアカーのおじさんの味 私が小さい頃、朝になるとリアカーで豆腐や豆乳を売りに来るおじさんがいた。 今で言うところの、キッチンカーのようなもの。 「朝出来立てだよ」 と言って渡してくれた豆乳は、温かくて、豆の香ばしい香りがふわっ...