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小さな監査役の指摘と、背伸びをしない台所

2026 3/18

「え〜、今日家きれい!」

息子も帰宅する時間に合わせて畑から帰ってきた私。

二人で一緒に家に入った瞬間、息子が言いました。

……え?

「我が家いつもきれいだよ。」

ここは自宅でもあり、料理教室のアトリエでもあります。

だから私はいつも神経を尖らせて掃除しています。

なのに…。

「違うよ」と息子。
「どの辺が?」と私。
「スリッパはいつもあっちこっちにあるし、タオルケットも散らかっているよ。まぁ、そんなところ。」

……。

「あなたの方こそ、脱ぎっぱなし散らかしっぱなしやめてよ。どの口からそれ言ってるのよ、こら。」
と、言いたいのをぐっと我慢。

息子も一人の人格。

一つの目線。

まずは受け入れる。

「そうか、そうか。ママの落とし穴だったね。今後気をつけます。」
すると息子がさらに一言。

「ママ、そしてもう一ついいですか?」

……嫌な予感。

「オレがゲップしてるとき、ママは“汚いからやめて”って言うけど、ママも炭酸飲むとゲップしているよ。」

……。

ひ〜〜。
「はい。それも合わせて気をつけます。」
小さく答える私。

ああ。
息子よ、もう立派に成長しましたね。
ママの言動、全部見てる。
そしてちゃんと指摘してくる。
まだ小二なのに、もう小さな監査役。

その日はいつもより、料理をしながらテキパキと皿を洗うことに集中していました。

「子供は親をちゃんと見ている」という話は本当でした。

子どもは、親の言葉よりも背中を見て育つと言われます。
けれど、完璧な背中を見せることだけが正解ではないのかもしれません。

「スリッパが脱ぎっぱなしだよ」
「ママもゲップしてるよ」

そんな風に、お互いの「かっこ悪いところ」を笑い合ったり、認め合ったりできる関係。
それこそが、私たちが提案したい「やさしさ」の種だと思うのです。

立派な親でいようと肩を肘を張るのではなく、不器用な自分を少しだけ認めて、家族と一緒に整えていく。

キッチンから広がるおいしい香りと、飾らない会話。

背伸びをしない、ありのままの暮らしの中にこそ、本当の心地よさが宿っています。
今日も台所に立って、完璧ではないけれど愛おしい、私たちの「今日」を分かち合いたいと思います。

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ひかり
waktak cooking class 講師
中国・延吉で育ち、季節の野菜と韓国の家庭料理に囲まれて育ちました。
「誰かを思って作るごはん」を大切に、日々のレッスンや発信を続けています。
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