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「怪我をしないこと」が一番の抱負。梨の花咲く季節に、当たり前の幸せを想う

2026 4/06

誕生日を迎える夫に、「今年の抱負は何?」と聞くと、「怪我をしないこと。」と返ってきました。

「怪我さえせずに、当たり前のことを当たり前にやっていたら全てがうまくいく。」
だそうです。

昨年の今頃、その夫が足の手術をして動けなくなったことを思い出します。

ちょうど今頃。
梨畑の花が春の暖かさと共に、花びらを開き始めた頃でした。

梨農家にとっては花粉つけという、もっとも大事な仕事が控えていました。
焦りは足の痛みと共に増していく。

「すぐに歩けるよ」

そうお医者さんは言っていたようだけど、夫の姿を見ると、とてもそうは思えなかった。

結局、松葉杖をつきながら畑に向かい、ぽんぽんと綿棒で花粉を受粉することに。
リハビリで事前に松葉杖をつきながらの花粉つけ作業を練習していたみたい。

隣で一緒に作業をしながらその姿を見ていた私は、心が痛みながらも、夫の力強さに胸を打たれました。

私が夫だったら、同じ行動をとったかな…。

家族の暮らしの為に、そしてなにより、梨を食べる人に喜んでもらう為に。

畑を見回ると新高梨の蕾がふっくらと咲き始めました。
今年もこの季節がやってきました。

はからずも、今年の夫の誕生日は、お天道様のおかげで、夫と息子と私の3人で梨の花粉を採取するための、花取りという作業ができました。

「最高の誕生日プレゼントになった」と喜ぶ夫。

私が台所を大切にしているように、夫もまた、畑を大切にしているという気持ちが、その言葉に表れているようでした。

大変なことは乗り越え、過ぎ去ってしまうと痛みは和らぐものだよ、と恩人から言われたりもします。

確かに、昨年の経験による心の痛みは少し柔らかくなり、花の蕾をみると美味しい梨を作るための希望が膨らみます。

夫の「けがをしないことが今年の抱負だ」という言葉が頭の奥に今も響き渡っています。

心身健全に、畑と共に健やかにくらしていきたいと、心で願うばかり。

当たり前の日常を、当たり前に積み重ねていく。
それが私たちの、何よりの幸せです。

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ひかり
waktak cooking class 講師
中国・延吉で育ち、季節の野菜と韓国の家庭料理に囲まれて育ちました。
「誰かを思って作るごはん」を大切に、日々のレッスンや発信を続けています。
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