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遅めの唐辛子葉のナムル

2024 10/13

― 季節のはざまに届いた、母からの手しごと ―

今年の唐辛子葉は、少し遅れて届きました。

例年なら、夏の終わりから初秋にかけて摘まれるはずの若葉たちが、今年は秋風が吹いてからようやくやってきたのです。

葉の色はいつもより濃く、小ぶりで、手のひらの中で静かにしなる。

噛むと、ほのかな渋みと土の香り。

けれど私は、それがなんだかうれしくて、ありがたく手を動かしました。


目次

捨てられがちな葉が
台所の主役になる日

唐辛子の葉は、実に比べて注目されることが少ないけれど、韓国では昔から立派な副菜です。

湯がいてごま油で和えたり、ご飯と炊き込んだり、炒め物にしたり。

私の母は、この唐辛子の葉を乾燥させて保存食にしています。

天日に干して、しっかり水分を飛ばした葉は、密閉しておけば年中使えます。

  • 冬には、乾燥葉をご飯と一緒に炊き込んで香りを楽しむ。
  • 春先には、戻してナムルにして、季節の端境期をつなぐ。

そんなふうにして、母は唐辛子の葉を一年中食卓にのせてきました。

「栄養あるんだから、捨てちゃもったいない」

と笑う声が、今も耳に残っています。


少し遅れてやってきた季節も悪くない

ことしの葉は、たしかにいつもより「遅め」でした。
でも、それが悪いというわけではありません。

遅く実った葉は、どこか落ち着いていて、味にも香りにも、静けさがある気がするのです。

毎年同じように季節がめぐると思っていても、自然はほんの少しずつ違っていて、それに合わせて私たちも、料理の手を少し変えていく。

そういう時間が、私はとても好きです。


湯気の向こうに見えるもの

さっと湯がいた唐辛子葉を、やさしくしぼって、ごま油と塩だけで調える。

そこに少しだけすりごまを添えると、ぐっと風味が引き立ちます。

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お皿に盛ると、まるで山のなかの空気のようにしっとりとしていて、少し濃い緑が、白いご飯のとなりで静かに佇んでくれます。

台所には、母の言葉と、私の手のぬくもりが、少しだけ混ざっているような気がして…。

その感覚が、私はたまらなく好きなのです。


献立を考えることは、
誰かを見つめること

このナムルを出した日の食卓には、味噌汁と煮物と、ほかにもう一品だけ。

にぎやかさではなく、“その日をどう過ごしたか”をそっと支えるような料理を並べると、
家族の表情も、少しやわらかくなるような気がします。

料理は、元気づけるだけじゃなく、今日の自分や、目の前の人を「そのままでいい」と包みこむ力があるのかもしれません。

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遅れてきたものの中にあるやさしさ

「なんでも早ければいいってもんじゃないよ」

母がよくそう言っていました。

唐辛子葉も、季節も、暮らしも。

少し遅れてやってくるものの中には、急がなかったからこそ育った、やさしさや強さがあるのかもしれません。

そんなことを思いながら、私は今日も台所に立ちます。

乾いた葉を戻すように、忘れていた記憶や、誰かの言葉がふっとよみがえる時間。

料理をするって、そういうことなのかもしれませんね。

白菜キャラ

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ひかり
waktak cooking class 講師
中国・延吉で育ち、季節の野菜と韓国の家庭料理に囲まれて育ちました。
「誰かを思って作るごはん」を大切に、日々のレッスンや発信を続けています。
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