
5月 帰味 – kimi –
冬のあいだ蓄えた力が、一気に芽吹くこの季節。
梨やぶどうの畑に立ち、春の嵐にさらされながら、 ひたすら手を動かし続ける。
「疲れた」という単語が頭の中でぐるぐる回る。

こうなると台所に戻りたくなります。
温かいもの、お腹に溜まって安心して今日もよい1日だったと感じられるごはんを作りたくなります。
そんなこんなを思いながら、今月も「おうちに帰って、もう一度作れる料理」レッスンにしたいと思います。
牛肉とじゃがいものスジェビ
ふと、母がスジェビを作る光景を思い出しました。
小麦粉をこねて、耳たぶぐらいまで柔らかくし、 伸ばしてはちぎる姿。
厚さも大きさもバラバラな、あのスジェビの「適当感」。
でも、その違いこそが、このスジェビの一番美味しいところでした。
忙しさの中にある母の疲労感も、その「適当さ」も、 そのまま丸ごと受け入れられた、あの美味しさ。
歳を重ねた今の私に、大切なことを思い出させてくれました。

春キャベツのコッチョリ
「スジェビ」を今月のメインに決めてから、副菜は何しようかな?昔何を一緒に食べたっけ?と考えます。
すぐに思い付かず、姉に電話。
「スジェビにはコッチョリだよ。今は春だから、キャベツで作ったら。」
と、秒で答えを出してくれる姉。
そうだ、キャベツコッチョリとは灯台下暗し。
そういえば、去年も韓国の姉の家で食べて、帰ってきて漬けたっけ。
そうしよう。
試作してみると、スジェビによくあう。
決まり。

ピーマンとジャコのおかず
両親や姉が、必ずお土産で持たせてくれるのが、乾燥ジャコです。
昨年、両親が我が家に来た時にも、特大のジップロックにいっぱいに詰めて持ってきてくれました。
「このいりこは小さいサイズだからおいしいよ」と母。
「ちいさいから美味しいの?」と聞く私。
「そうだよ、小さいからこのままでも、乾燥させた唐辛子でも生のピーマンでも炒められる。大きいと硬くて食べるのが大変だよ」という母と姉。
私も少なからず、料理に全力を注いでいると思っているのに、まだまだ姉と母には及ばないわと思うできことでした。
スーパーの魚コーナのちりめんジャコをみると、いつもこの会話が思い出します。

セロリと落花生のスパイス漬け
「オモニ!これこれ、ずっと食べたかった本場の味。嬉しい!どうやって作るの?」
落花生の歯応えと香ばしさ、セロリの香り、にんじんの甘み。
小さな頃から知っている思い出の中華惣菜の一つがこの料理。
先日、義母がセロリ買ったけど食べ方わからないからあげると、立派なセロリをくれました。
セロリといえば餃子の具が思い浮かぶのですが、そのほかは?と頭の中の記憶を探る。
美味しかった記憶の中 の「スパイス漬け」が思い浮かびました
でも、いざ作るとなると、長年のブランクがあるせいなのか全然味が決まらないし、正確なその味も思い出せませんでした。
残念だな…。
そう思っていた時に、10年振りに帰った中国の実家で母が食卓に並べてくれました。
食べた瞬間、昔の故郷に帰ったようでした。

アスパラの豚肉巻きソテー
いつもストックしている、万能醤油たれ。
そして、これもいつもストックしている、麻辣オイル。
私の料理教室ではお馴染みとなりつつある、このタレたち。
ある時、友人の紹介で美味しいお肉屋さんを紹介してもらいました。
ちょうど季節は5月で、アスパラが美味しい季節。
届けてもらった豚肉と冷蔵庫にあったアスパラで料理を作りたいなと、パパッと作ったものが、家族に大好評。
ストックしていた万能醤油たれと麻辣オイルは、過去の私からの贈り物。
忙しい時に重宝する、すぐれものです。

今月のタイトル『帰味(きみ)』とは、文字通り、家に帰るように、慣れ親しんだ味に帰ること。
特別な技術を競うのではなく、毎日のなかで何度でも繰り返せること。
大切な誰かのために、そして何より自分のために。
「これでいいんだ」と思える食卓がつくる、おだやかな安心感をお持ち帰りください。

このレッスンで持ち帰れること
- 家に帰って、迷わずもう一度つくれるレシピ
- 疲れた日でも、自分を追い込まずに作れるレパートリー
- 「料理はちゃんとしなきゃ」という重荷をそっと下ろす時間
- 不揃いな自分も丸ごと受け入れる、やさしい台所時間


レッスン日程
5月:
14日(木)・17日(日)・18日(月)
21日(木)・23日(土)・24日(日)
25日(月)・28日(木)
※時間はいずれも 10:30〜14:00
・肌育コラボレッスンについてはこちら
・餃子特別レッスンは満席です。
少人数・初心者歓迎の
やさしい教室です
講師:ひかり(waktak主宰)

中国吉林省で生まれ、朝鮮族という家柄、中国と韓国両方の文化の中で育ちました。
基本的には韓国料理をベースに、中国料理・新潟の郷土料理を取り入れて、料理を作っています。
農家という職業を兼任しているため、野菜料理が好き。
発酵・薬膳・精進の考えを取り入れたレッスンを開催中。
会場:waktak cooking atelier(新潟市江南区)

古民家をそのまま新築したようなアトリエです。
新潟の木材をふんだんに使った一軒家でのレッスン。
木の香りと、ちょっと燻されたような薪ストーブの香り。
そして優しく柔らかい暖かさ。
そんな中で、ゆったりとお料理とお食事をお楽しみください。
詳しい場所につきましては、予約ページからお確かめください。
料金と持ち物
料金:7,700円(税込)
基本的には、前払いでのお申し込みをお願いしております。
現金払い、もしくは各種QRコード決済等をご希望で、前払いが難しい方につきましては、公式LINEからお申し込みください。
持ち物:
・エプロン
・手拭きタオル
・持ち帰り用のタッパなど

料理は、誰かのためであると同時に、一番身近な自分自身をいたわるものでもあります。
忙しい日々の中で、つい置き去りにしてしまいがちな自分の心。
それを台所の湯気でそっと温め、取り戻していく。
「教える」というよりも、同じ台所に立つ仲間として、 その不器用で愛おしい時間を一緒に過ごせたら嬉しいです。
お申し込み方法
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