
昔ながらの家々が静かに立ち並ぶ、小さな農村の集落。
その真ん中に、私のアトリエ
─waktak cooking atelier
があります。
住宅を兼ねたこの建物は、自分のアトリエ(クッキングスタジオ)が欲しい、という思いから始まりました。
昔ながらの家を建てたのに

高気密・高断熱の現代の家ではなく、昔ながらの製法で建ててもらった、純日本家屋。
断熱材の代わりに薄い遮熱剤を使用し、木や土をふんだんに使い、風の通り道を大切にした家です。
「時間とともに味わいが深くなる場所にしたい」
そう思って、こだわって建てました。
なのに、ご近所の方に言われたのです。
「この家、すごく目立つよね」
なんか、不思議です。
家を見に来る人、暮らしを見直す人

このアトリエには、主に韓国家庭料理を学びにいらっしゃる方が多いですが、中には
「今度、自分たちも家を建てる予定なので、この家を見学に来ました」
という方も。
また、子育てを始めたばかりの生徒さんが
「離乳食のことも考えて、もう一度ちゃんと食と向き合いたくなって」
と、レッスンに参加されることもあります。
年齢層もさまざまで30代から60代くらいまで。
レッスンの内容も、料理の技術だけにとどまらず、なんだか“暮らし”そのものをめぐる時間になっている気がするのです。
人の心地よさは、暮らしの中にある

私自身、お話しするのがとても好きです。
人との違いを感じるのも好きです。
ひとつの料理の話から、
家族の話になり、
季節の話になり、
人生の話になる。
教室の中では、そんな“枝分かれ”の会話がよくあります。
最近よく思うのは、人の心地よさというのは、暮らしの中にあるということ。
何気ない草花。
地域に根付いた野菜。
そして、暮らしの中にあるアトリエ。
その全てが、このアトリエの空気感を作ってくれます。
傷も汚れも、大切な一部

我が家には小学2年生の息子がいます。
まだまだやんちゃ盛り。
元気に走り回って、無垢材の床ににちょっと傷や汚れをつけたり、手が滑ってそこらじゅうに牛乳やジュースをこぼしたり…。
その瞬間は、「もう!」ってなるのですが、後から見返せば、その小さな“痕跡”すら、アトリエの一部だと思えるようになりました。
誰かの手で、誰かの暮らしの中で使われた空間だからこそ、心地よくなるのだと思います。
生徒さんと共有する“心地よさ”

私は、このアトリエがとても好きです。
それは、見た目の話だけではありません。
光の入り方、
土間のひんやりした空気、
草花を挿したときの静かな香り、
そして、ここで交わされる会話や笑い声─
すべてが重なって、この空間の「心地よさ」ができている気がします。
そしてそれを、生徒さんと共有できているような気持ちで、毎回お迎えしています。

最後に
私の料理教室は、「韓国家庭料理」という料理を軸にしながらも、きっとテーマは“暮らし”なんだと思います。
料理を通じて、自分の暮らしを見つめ直したり、誰かの暮らしにふれてみたり。
そんなふうに、人と人が優しく交わる場所でありたいと、いつも思っています。
そんな“暮らしの交差点”のような時間を、教室で一緒に過ごしてみませんか?
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