
「え〜、今日家きれい!」
息子も帰宅する時間に合わせて畑から帰ってきた私。
二人で一緒に家に入った瞬間、息子が言いました。
……え?
「我が家いつもきれいだよ。」
ここは自宅でもあり、料理教室のアトリエでもあります。
だから私はいつも神経を尖らせて掃除しています。
なのに…。
「違うよ」と息子。
「どの辺が?」と私。
「スリッパはいつもあっちこっちにあるし、タオルケットも散らかっているよ。まぁ、そんなところ。」
……。
「あなたの方こそ、脱ぎっぱなし散らかしっぱなしやめてよ。どの口からそれ言ってるのよ、こら。」
と、言いたいのをぐっと我慢。
息子も一人の人格。
一つの目線。
まずは受け入れる。
「そうか、そうか。ママの落とし穴だったね。今後気をつけます。」
すると息子がさらに一言。
「ママ、そしてもう一ついいですか?」
……嫌な予感。
「オレがゲップしてるとき、ママは“汚いからやめて”って言うけど、ママも炭酸飲むとゲップしているよ。」
……。
ひ〜〜。
「はい。それも合わせて気をつけます。」
小さく答える私。
ああ。
息子よ、もう立派に成長しましたね。
ママの言動、全部見てる。
そしてちゃんと指摘してくる。
まだ小二なのに、もう小さな監査役。

その日はいつもより、料理をしながらテキパキと皿を洗うことに集中していました。
「子供は親をちゃんと見ている」という話は本当でした。
子どもは、親の言葉よりも背中を見て育つと言われます。
けれど、完璧な背中を見せることだけが正解ではないのかもしれません。
「スリッパが脱ぎっぱなしだよ」
「ママもゲップしてるよ」
そんな風に、お互いの「かっこ悪いところ」を笑い合ったり、認め合ったりできる関係。
それこそが、私たちが提案したい「やさしさ」の種だと思うのです。

立派な親でいようと肩を肘を張るのではなく、不器用な自分を少しだけ認めて、家族と一緒に整えていく。
キッチンから広がるおいしい香りと、飾らない会話。
背伸びをしない、ありのままの暮らしの中にこそ、本当の心地よさが宿っています。
今日も台所に立って、完璧ではないけれど愛おしい、私たちの「今日」を分かち合いたいと思います。
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