waktakの日々– category –
新潟発・韓国家庭料理教室「waktak」の日常を綴るブログ。
季節の食卓、母から受け継いだ味、レッスンの裏側、小さな気づきや想いを、物語のようにお届けします。
料理を通じて、誰かを思うやさしさが広がりますように。
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ニラと共に歩んだ私の暮らし|食卓と人生を支えてくれた野菜
御先祖様に感謝のお参りを終え、我が家業は本格的に冬の支度をはじめました。 キムチ用の白菜、大根、からし菜。息子が大好きなブロッコリー、そして私がひそかに愛してやまないパクチー。畑にはまた、新たな場所へと移植されたニラが根を張ろうとしていま... -
お盆を前に、命のことを考える。
今週のアトリエには、リアトリスやアスタ、ジニアといった花を飾っています。季節の花々に囲まれながら、ふと「もうすぐお盆だな」と感じました。 そんなとき、家族3人の日記帳に書かれていた夫の言葉が目にとまりました。 大昔、ローマ時代にこんな実験が... -
見た草が、花になるとき
経験の有無は、人生の豊かさにつながっていく気がします。 今週のアトリエには、リアトリスの盆花をはじめ、夫の畑のりんごの枝や、道ばたのエノコログサ(猫じゃらし)などを使って、佐藤さゆり先生が生けてくださいました。 季節や土地の旬を、花を通じ... -
ゆかりを作る夏、育てられる台所
今日は、今年最後の梅しごと。息子と一緒に「ゆかり」を作りました。 「俺、ゆかり作ってみたかった」そう言った息子のひと言に、私はびっくりして、そして嬉しくなりました。 ジリジリと照りつける夏の太陽のおかげで、赤紫蘇はちょうどよく乾いていて、... -
ツルムラサキが踊りだす台所──夏の匂いと、湯気の中の幸福
外はじりじりと焼けつくような暑さだった。朝から気温はぐんぐん上がり、外に出るだけで肌がぴりぴりと反応する。 けれど、その暑さとは違う、台所の「熱さ」が私は好きだ。窓から入ってくる夏の光を少しだけ取り入れて、程よくクーラーが効いた部屋の中。... -
海がこわいと言っていた息子と、家族で向かった“思い出の海”
「今年の夏は、どこに行きたい?」 すると迷いもなく、「プール行きたい。だって、海こわいんだもん……」と返ってきた息子。 昨年は、何度もレジャープールに通い、波の出るプールや流れるプールではたっぷり遊んでいたけれど、肝心のウォータースライダー... -
ぼくのレシピ、ママとつくる夏休み
息子の夏休みが始まりました。 1ヶ月まるまる家にいるのは、正直とても長い。でも、自由気ままに生きる彼と過ごせるこの1ヶ月は、もしかしたら人生で数えるほどしかない希少な時間なのかもしれません。きっと、気づいた時にはもう、どこか遠くへ行ってし... -
地域に愛されるという、何よりの学び
朝、梨の共同防除のために、地域のメンバーと一緒に機械のオペレーターをしていたときのこと。突然、パジャマ姿の息子が畑にやってきた。 「ゴミ捨てに行ったらさ、大きい音が聞こえてきて。なんか気になって」 僕がいるかどうかなんて関係なく、ただ“気に... -
僕は、その小さなおにぎりに、勝てない。
その日はなぜか朝5時前に、息子がひとりで着替えを済ませてリビングにやってきた。 いつもは僕や妻に起こされて、メガネをはずしたのび太くんみたいな目で、ぼーっとしたまま夢と現実を行ったり来たりしている彼が、なぜかその日だけはシャキッと起きて、... -
それでも、私が料理を教える理由
3年前、ソウルにいる姉と電話で話した。 私が料理教室をはじめようとしていることにふれたとき、姉は少し心配そうな声で言った。 「でもあなた、料理学校も出てないし、有名な料理家のところでアシスタントもしてないでしょ?それに飲食店で修行した経験も...