waktakの日々– category –
新潟発・韓国家庭料理教室「waktak」の日常を綴るブログ。
季節の食卓、母から受け継いだ味、レッスンの裏側、小さな気づきや想いを、物語のようにお届けします。
料理を通じて、誰かを思うやさしさが広がりますように。
-
チュンムキンパとは?海の上で生まれた“具なしキンパ”と、料理に込められた想像力
チュンムキンパ(충무김밥)とは、韓国・忠武(チュンム)で生まれた、シンプルな“具なしキンパ”。韓国の郷土料理に興味がある方へ、今回はこの料理が持つやさしさと、私の記憶を少しだけお話しします。 国を越えて、懐かしい料理と私の問い 実際のレッス... -
豆もやしは、ごちそうだった
祖母の壺と、母の知恵と、私の後悔 実は、私の祖母の家も農家だった。 私がまだ子どもだった頃、冬休みや長い休みになるたびに祖母の家に行くのが恒例だった。 その記憶は今も強烈に、私の頭と心に残っている。 農家は大変な仕事だと、両親は知っていた 祖... -
ジャガイモチヂミは、「時間」を食べる料理
― 母が焼き続けた、出来立ての愛情 ― この料理も、母が作ってくれて印象に残っているもののひとつだ。 ジャガイモチヂミ。 母は、座らない この料理が食卓に並ぶ時、母が座ることは、まずない。 「出来立てが美味しいから」と言って、ずっとキッチンで焼き... -
スンドゥブチゲの香りからはじまった
― 食べる女から、作る女へ ― ある日、私の住んでいた場所の近所に、スンドゥブチゲ専門店ができた。 その店の前を通るたび、香ばしくて、ちょっと刺激的な辛味の香りがふわりと鼻をくすぐる。 その香りを、私は今でもはっきりと覚えている。 「匂い」は、... -
だから私は、今日もごはんを作る
特別だった“あの料理”と、母の習慣 子どもの頃、あまり外食をした記憶がない。 いつも家で、母が作ったごはんを食べていた。 「外で食べる」という選択肢がなかった そんなふうに育った私は、今でもあまり「今日は惣菜で済まそう」とか、「外に食べに行こ... -
チャプチェは、面倒くさいがうまいのだ
手間と笑いと、家族の「そうこなくっちゃ」 チャプチェは、作りたてが一番うまい。 これはもう、声を大にして言いたい。そして同時に、こうも言いたい。 チャプチェは、意外に手間がかかる。 一緒に炒めて一緒に味付け? そんなはずがない チャプチェとい... -
ジョンは、季節を並べる料理
―「食べる人」から「作る人」へ ― ジョンは、いつも食卓に並んでいた。 ズッキーニのジョン、トウモロコシのジョン、ジャガイモのジョン、白菜のジョン。 それぞれが季節の香りをまとい、その時その時の“旬”を並べる料理だった。 とても庶民的で、とても贅...