涼やかな午後に寄り添うひと皿の静けさ

冷たい麺に澄んだスープをそっと注いだとき。
その静けさに、胸の奥がすっと整っていくような気がすることがあります。
平壌冷麺は、にぎやかさとは無縁の料理です。
スープも、具材も、語りすぎない。
けれど、そっと寄り添ってくれる優しさがある。
バタバタと音を立てて過ぎていく毎日の中で、
この一杯は、深呼吸のような時間をくれる存在かもしれません。
平壌冷麺は「削ぎ落とされたおいしさ」

韓国の家庭料理というと、
- 辛い
- 熱い
- にぎやか
…そんなイメージを持たれるかもしれません。
でも、平壌冷麺は少し違います。
冷たい牛だしのスープに、細くやわらかい麺。
茹でた牛肉、ゆで卵…
そのすべてが、控えめでやさしい。
「物足りない」と感じる方もいれば、
「心が落ち着く」と感じる方もいる。
それは、きっとこの料理が“感覚に語りかける料理”だから。
表面のインパクトではなく、内側にじんわり染みるおいしさがあるのです。
手を動かして、心をほどくひととき

わたしがこの料理を教室でお伝えするとき、
「味を伝える」だけではなく、「感じ方」をお渡ししたいと思っています。
澄んだスープをすくったときの手の感覚、
だしの湯気から立ち上る香り、
麺を冷水でしめるときの冷たさ…。
料理は、五感で味わうもの。
そして、その五感がやさしく整えられるとき、わたしたちの心も、どこかで静かに癒されているのではないでしょうか。

「ごはんをつくる」という、日々の営み

わたしたちは毎日、当たり前のようにごはんをつくります。
冷蔵庫にあるものでささっと、家族の好みに合わせて、なんとなくの調味料加減で…。
でもその日々の繰り返しこそが、自分や誰かを支える「土台」になっていることに、ときどき立ち止まって気づけたら。
平壌冷麺の静けさに触れる午後は、そんなささやかな気づきを運んでくれる時間なのかもしれません。
「夏膳のレッスン」で味わう
静けさと豊かさを

この夏、waktak cooking classでは
- 平壌冷麺
- 野菜チヂミ
- オイキムチ
この3つの料理を一度に味わえる季節限定レッスンをご用意しています。
決して派手ではないけれど、台所の手仕事や、五感に響くひと皿に「豊かさ」を感じる方にこそ届いてほしいレッスンです。
日常の中の、静かで豊かな時間。
その入り口を、料理という手しごとを通して、
一緒に味わってみませんか?
▼詳細とお申込みはこちら
