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おこげとお茶漬けがつなぐ記憶

2025 5/27

朝、少しだけ冷えた台所で、ふと湯気の立つお茶漬けが恋しくなるとき、ありませんか?

忙しい日でも、心を整えてくれるのは案外こんな“なんでもない料理”だったりするものです。

わたしが日本に来たばかりのころ、不思議なくらいお茶漬けに惹かれました。

なぜだろう?と考えていたら、ある日ふと思い出したんです。

実家で食べていた、鉄釜の底に残った「おこげ」のことを。

目次

はじめて出会った“やさしい味”
─お茶漬けの記憶

来日したばかりのころ、日本の食卓に並ぶ料理のひとつひとつが、とても新鮮に映りました。

ときに驚き、ときに戸惑いながら、それでもどこか心がほどけるような料理に出会うこともありました。

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そのなかでも、なぜかお茶漬けにはすぐに親しみを感じたのをよく覚えています。

湯気が立ち上る器から漂う、だしの香り。

さらさらとお茶を注いだご飯が、口のなかでほどけていく感覚。

なんともやさしく、静かな料理でした。

玄米入りのお茶漬けは特に好きでした。
香ばしくて、どこか懐かしい。

なぜそんなにも惹かれたのか、ある日ふと立ち止まって考えてみたんです。


思い出したのは、実家の“おこげ”。

私の実家では、昔ながらの鉄釜でごはんを炊いていました。

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今のような炊飯器ではないので、もちろん保温機能もありません。

炊き立てのごはんを家族で囲み、余ったごはんはそのまま鉄釜に残されます。

すると、時間とともに鍋底にこびりついた部分が、かちかちのおこげになるんです。

そのおこげは、わざと残すというより、自然にできてしまうものでした。

でも、子どもながらにその“おまけ”のような存在が嬉しかった。

次の日、そのおこげに熱々のお湯をかけて、ほぐしながらいただく。

だしをとったわけではないのに、不思議と米のうまみがじんわりと広がる。

香ばしい匂いが鼻に抜けて、ほっとする。

日本でお茶漬けを口にしたとき、そのときの感覚がよみがえったのです。


おこげを届けてくれた両親。

つい先日、そんな懐かしいおこげを、両親が日本に来たときに持ってきてくれました。

「まだこんなの食べてるの?」

と笑いながらも、たっぷり持ってきてくれた袋には、私の“好き”をちゃんと覚えていてくれたんだなという、やさしさが詰まっていました。

せっかくだから、ただ懐かしむだけではなく、今の暮らしに合うようにアレンジしてみたくなりました。


旬のアスパラと、魚醤の香り。

おこげをさっと戻して、軽く温めたら、そこに今が旬のアスパラガスをのせました。

細くてやわらかい新芽のアスパラは、食感を残してさっとごま油で炒めただけ。

彩りもよく、春の香りが広がります。

さらに、酸味のアクセントに梅干しを一粒。
そして、塩気には少しだけ魚醤を加えました。

魚醤のうまみが、お米の香ばしさと混ざり合って、どこか懐かしくも新しい味になります。

器に盛って、両親に差し出しました。

「美味しいね、今日はごちそうだわ」

そう言ってにっこり笑ってくれたあの顔が、いちばんのごちそうだったかもしれません。


料理は、文化を越えて心に届く。

おこげも、お茶漬けも、決して“ごちそう”ではないのかもしれません。

けれど、どちらにも共通するのは、ごはんを最後の一粒まで大切にする気持ち。
そして、それを手間なく、美味しく食べたいという、日常の知恵です。

文化が違っても、台所の願いには似たところがたくさんあるのだと思います。

私はいま、日本に暮らしながら韓国の家庭料理を教えています。

でも本当は、どこの国の料理かというよりも、

「誰かのために、今日をよくするためにごはんをつくる」

その心をいちばん伝えたいのだと思います。

料理というのは、国や形式を超えて、もっとやわらかく、もっと自由なもの。

文化の“透かし絵”のように、違いのなかに普遍のかたちが見えてくるものだと思うのです。


よき朝のスタートに。

今朝の食卓には、昔ながらの鉄釜の記憶と、日本のお茶漬けのやさしさ。

そして旬のアスパラのいのちが、ひとつの器のなかに重なっていました。

どこかの国の料理というよりも、私たちの暮らしの中にある“日々の知恵”。

そんな気づきとともに、気持ちのよい一日がはじまりました。

こんなふうに、料理を通じて季節と向き合う時間を、教室でも大切にしています。

よろしければ、台所で一緒に季節のごはんを仕込んでみませんか?

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ひかり
waktak cooking class 講師
中国・延吉で育ち、季節の野菜と韓国の家庭料理に囲まれて育ちました。
「誰かを思って作るごはん」を大切に、日々のレッスンや発信を続けています。
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