韓国の「タンスユク」ってどんな料理?
「タンスユク(탕수육)」とは、韓国式の酢豚を指します。
揚げた豚肉に甘酸っぱいあんをかけるそのスタイルは、日本の酢豚と似ていますが、韓国では“衣のサクサク感”と“あんのとろみ”のバランスに強いこだわりがあります。
その一皿は、お祝いの席や家族で囲む特別な食事にも登場する、ちょっと“ハレの日”の料理です。
精進料理から学んだ、
タンスユクの新しいかたち

私がこの料理と出会ったのは、ある韓国の僧侶から教わった精進料理の中でした。
肉の代わりに使われていたのは、肉厚の椎茸。
噛みしめると旨みがじゅわっと広がり、まるでお肉のような満足感。
その方はこう言っていました。
「料理は、身体を整えるだけでなく、心の在り方も整えるものです。」
香味野菜を避け、余計な刺激を減らすその工夫には、ただ“身体にいい”という以上の深い意味があるように感じました。
今日のタンスユクは「肉あり」で

その精進レシピをベースに、今回は夫のリクエストで、あえてお肉を使った“原点回帰”バージョンに。
本来のタンスユクは豚肉を使いますが、今回は鶏むね肉を使い、少し軽やかに仕上げています。
衣はサクサクに。
餡は、紫キャベツから抽出した自然のピンク色で、見た目にもやさしい仕上がりに。
彩りや香りも、立派な調味料のひとつですね。
「食べる」は心を整えること

韓国の精進料理には「食べ合わせ」や「気の巡り」を大切にする文化があります。
たとえば、
- 髪を切った日は気が抜けやすいから、体を温めるスープを。
- 心がざわざわするときは、ニンニクやネギを控えて、穏やかな野菜中心の献立に。
こんな食の知恵は、現代にも通じる“体と心の声を聞くヒント”。
料理はただの栄養補給ではなく、「いまの自分にとって必要なこと」を教えてくれるものかもしれません。
タンスユクがくれたもの

このレシピに出会ってから、私は「食べる」ことの見方が少し変わりました。
食べたいものを作る。
誰かのために手を動かす。
その一つ一つに、ちゃんと“意味”があると気づかされたのです。
忙しい毎日のなかで、つい作業になりがちな料理も、ほんの少し意識を向けるだけで、心を整える時間に変わる。
タンスユクは、そんな感覚を思い出させてくれる一皿なのかもしれません。
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