僕たち夫婦は国際結婚です。
僕、高松は30歳まで海外に出たことがない根っからの日本人。
一方、妻ひかりは短大卒業後に来日してそれからずっと日本で暮らす中国人です。
その妻は今、韓国料理の先生をやっています。
なぜ中国人なのに韓国料理の先生を?と疑問に思うところですが、それは妻の生まれ持った環境がそうさせるのです。
妻の出身は中国の東北地方、延辺という場所で生まれ育ちました。
延辺という場所は北朝鮮との境目の土地で、そこに住む人たちは「朝鮮族」と呼ばれています。
中国に住みながら朝鮮の文化で生活していて、中国文化とのグラデーションももちろんあります。
家庭内では韓国語を話し、学校では中国語を話すみたいなイメージでしょうか。
だから妻は生まれ持ってのアイデンティティーが日本人には理解ができないようなところがあるのです。
その妻が、短大を卒業してから来日してからもう20年以上経ちました。
つまりは、中国で暮らした日数よりも日本で暮らした日数の方が長くなったということ。
【朝鮮族+中国+日本】
これが妻のアイデンティティーで、最近は知人に「なんかだんだん新潟弁になってきたよ!」なんて言われることもあるのでもう一つ何かが加わるのかもしれません。
そんな妻のアイデンティティーが日常生活のあちこちに散らばっていて、とても面白く愛くるしいのです。
机の上に無造作に置かれた妻が書いた料理教室のアイデアメモ。
瞬間的に思いついて殴り書きをしたのでしょうが、ハングルと日本語が混ざっていてこの時の妻の頭の中では韓国語と日本語が入り混ざっていたのがよくわかります。
ある日の妻が作った夕飯がこちら。
韓国料理のデジカルビチムと、お好み焼き。
これが一度に食卓に並ぶ家ってそうそうないと思います笑
朝鮮文化の代表であるキムチを漬けたかと思えば、
日本文化の代表でもある梅干しも漬ける。
こんな感じで、生まれた瞬間ふたつの文化を持つ妻が、日本人と結婚をして新潟の小さな農村に住んでいるという暮らしは飽きることがありません。
そして、その妻のアイデンティティーこそが暮らしを豊かにしてくれているのだと思っています。
5歳になる僕と妻の息子は、その二つの文化をネイティブで感じているこどもです。
一体どんな風に育つのか。
楽しみで仕方ありません。